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女性リーダーが増える土壌作りを

レノボ・ジャパン合同会社 人事部 竹添花菜

■Diversity,女性活躍推進の課題

 Diversityの一環で「女性社員を増やそう,女性管理職を増やそう……」というのは,どの会社にとってもHotなトピックでしょう。しかし,数値目標のみにフォーカスすると,一時的に女性比率が改善されたとしても長くは続かず,本当の意味での女性活躍推進の実現は難しいと感じます。
 レノボはこれまでIBM,NEC,モトローラ等,多様な会社との事業統合を通じ成長してきたため,トップレベルからDiversityを重要視しており,女性活躍推進を後押しする風土があります。といっても,弊社を含め,日本におけるITハードウェア業界は,マーケット全体を見てもまだまだ男性社員が圧倒的多数を占めています。優秀な女性はいても十分にリーダーシップを発揮しきれていない状況を受け,レノボでは,自分らしく活躍し,リーダーを担う女性を増やしていくために,WILL(Woman in Lenovo Leadership)という活動を推し進めています。

■女性の活躍・リーダーシップ醸成を推進

 WILLは,各部署の女性有志メンバーで編成された組織です。メンバー自身が当事者意識を持って,女性社員がより活躍しやすい環境を考え,アンケートやイベント等の活動を行っています。この活動を通して,メンバー自身がリーダーシップを高めます。人事部門主導では,どうしても現実的で無難な施策になりがちですが,様々な部門より集まったメンバーからは,柔軟なアイデアが出てきます。下記は昨年度新たにWILLが実施したプログラムの例です。
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女性社員へのアンケート:女性社員向けに働き方やキャリア,会社への要望に関するアンケートを実施し,活動計画の参考にしました。
マネージャーとの意見交換:大多数を占める男性管理職と,上記のアンケートをもとに意見交換を実施しました。マネージャーからは「想定していた以上にキャリアアップを望んでいる声が多く驚いた。もっとカジュアルにキャリアについて話す機会を持ちたい」「女性社員をもっと増やしてより働きやすい環境を作っていきたい」といった声がありました。
各種セミナー:外部講師を招いて,Diversityの重要性に関する啓発を行ったり,女性のリーダーを招いたオンライン女子会を行ったりしました。3月は世界女性デー月間として,毎週Diversityをテーマにした講演会や,女性リーダーを招いたセミナーが開催されました。
シャドーイングプログラム:有志役員の協力を得て,役員の出席するミーティング等への同席を通じて,トップリーダーの日頃の仕事の進め方やものの考え方,判断の仕方などを学びました。
外部向けPR動画:女性の応募者を増やすため,外部向けにDiversityや働き方のPR動画を企画,作成しました。
女性社員向けトレーニング:女性社員の希望者に対しオンライングループトレーニングを開催。勤務地が異なり普段接することがない部署の方とのリレーションシップ作りにも活かせました。
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 これらのほか,トップリーダーからもDiversityの重要性について,定期的に強いメッセージを全社員に配信し続けています。トップからのコミットメントと,WILLの当事者社員による活動によって,中間管理職含む全社員の意識も変わってきています。「私のチームで女性をもっと採用したい」「女性マネージャーの登用をぜひ後押ししたい」と自らコミットメントするマネージャーも増えてきています。
 今後もWILLの活動をテコにして,男性社員をもっと巻き込み,性別に関わらず働きやすく,活躍できる環境にしていくことを目指しています。

(月刊 人事マネジメント 2021年6月号 HR Short Message より)

HRM Magazine.

 
人事部にてNECとレノボとのジョイントベンチャーのサポート、新卒・中途採用、営業部門のHRパートナーを担当。近年はダイバーシティ、女性活躍推進にも力を入れる。コロナ禍では自宅で飼い猫に癒やされながら仕事に邁進する日々を過ごしている。

>> レノボ・ジャパン
 https://www.lenovo.com/jp/