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入社したくなるインターンシップとは

(株)Legaseed 代表取締役 近藤悦康

 現在,就職活動をしている学生の市況は数年前に比べ非常に大きく変わり始めています。「就活解禁日に大人数に紛れて合同説明会に行くのはダサい」……現在の,特に優秀といわれる学生はそのように考えています。その分,就職活動において重要性を増しているのがインターンシップです。現在は,約8割の大学生が正式に採用活動が始まる前にインターンシップに参加しており,約7割の企業がインターンシップを実施しています。
 インターンシップとは就業体験を意味し,本来であれば長期間の就業体験を通し,その仕事のやりがいや楽しさ,困難さを体験できることが理想です。ただ,そのような長期間の就業体験を行うには,現場社員のより一層の協力が必要になるため実施が難しい企業も多くあります。従って,人事担当者には,あまり現場には負担をかけず,数日間で学生が職場体験でき,かつ,参加者がその会社で働く姿をリアルに思い描けるような企画が求められています。

■学生が本当に求めているものは何か?

 学生がインターンシップ先を選ぶ基準は2つあります。@そのインターンシップに参加することで自らに「箔」がつくか,A他では得られない経験ができる「企画」があるか,です。自社でしか体験できない,オリジナルなプログラムが企画時の必須条件となります。
 就職活動では会社の知名度,福利厚生,給与水準等学生が決めた基準で受ける企業を判断するため,中小企業が優先的に選ばれることは多くありません。しかし,インターンシップであれば,面白いと思ってもらえるような企画次第で,中小企業も選択肢になります。ただし,普通の会社説明会や,ありきたりのグループワークでは学生たちに魅力を感じてもらえません。ご参考までにLegaseedが200人以上の優秀な学生たちに聞いた,「参加して良かったインターンの理由」「帰りたくなったインターンの理由」の生の声をご紹介します。
【参加して良かったインターンの理由トップ3】
第1位…仕事体験(実際の仕事を体験できた/やりがいや意義を知れた/体感型)
第2位…フィードバック(自分の良い点や改善点を知れた/レポートがもらえた)
第3位…雰囲気(社員がイキイキしている/社員と話ができた/考え方に共感した)
【帰りたくなったインターンの理由トップ3】
第1位…説明(説明が長い/話がつまらない/配布資料やHPの情報と同じ話)
第2位…コンテンツ(ワークの内容が事業と関係ない)
第3位…雰囲気(歓迎されている感じがしない/緩い雰囲気/担当者が作業で仕事している)

■企画に「学び」や「成長」の要素はあるか?

 いかがでしょう? 学生たちがインターンシップに求めているのは「学び」や「成長」であり,「説明」ではないのです。学生たちに成長感を与えることができる企画かどうか,そこが中小企業のインターンシップで非常に重要なカギになります。
 Legaseedでは就活解禁前の2月の時点で1万2,000名以上の学生がエントリーしてくれています。Legaseedの人事コンサルティングのやりがいを体感できるプログラム「CHANGE」の他, 営業・SE・製造・施工管理・店舗運営,等の具体的な仕事内容や考え方が学べる「職ラボ」というインターンシップも用意しており,企画が面白いという理由で学生たちから多くの支持をいただいています。
 今一度,学生の成長という視点に立って,インターンシップを企画してみてはいかがでしょう。

(月刊 人事マネジメント 2019年5月号 HR Short Message より)

HRM Magazine.

 
1979年岡山県生まれ。千葉工業大学大学院修了。アチーブメント(株)に勤務後、2013年に(株)Legaseedを創業。楽天みん就調査「2020インターン人気ランキング」では総合20位、人材部門で1位。これまで300社を超える企業への人事領域のコンサルティングを実施。テレビや雑誌などメディアにも多数取り上げられ、セミナー受講者は延べ7万名。著書には『日本一学生が集まる中小企業の秘密』『内定辞退ゼロ』『伸びている会社がやっている新卒を即戦力化する方法』等がある。

>> (株)Legaseed
 https://www.legaseed.co.jp